屋根の面には、濃い茶色の平板瓦がすき間なくそろって並んでいます。
寄棟(よせむね)の屋根には、屋根の面と面がななめにぶつかる角の線があり、この線の上を隅棟(すみむね)と呼びます。
隅棟の近くは四角い瓦のままでは形が合わないので、1枚ずつ切って合わせていく必要があるんです。
角の線のまわりには、まだ切る前の瓦の束が置かれていてこれから形を合わせていく準備がととのっています。
隅棟の線に合わせて専用の道具で瓦を1枚ずつ切っていきます。
切る長さや角度は瓦ごとに少しずつちがうので、となりの瓦との合わせ目を見ながらその場で形を決めていくんです。
切った瓦を角の線に沿って並べていくと、ななめの線にぴったりそろった瓦の列ができあがっていきます。
角の線がまっすぐ通っているかどうかで、屋根の仕上がりの見た目が変わってくるので、手間をかけて進める作業なんです。
屋根の面と面が内側に向かって合わさる谷(たに)の部分には、雨水を流すための谷板金という金属の板が入っています。
谷はまわりの屋根の面から雨水が集まってくる通り道なので、その上の瓦も金属の板に沿って1枚ずつ切りそろえて納めています。
今回の工事ではこの谷板金も新しいものに取り替えています。
谷の金属の板は、雨水が集まるぶん傷みやすい所なので、瓦を下ろして葺き替えるこの機会に、あわせて新しくしておくと雨水が入りこむリスクを減らせます。
隅棟の線に沿って、切った瓦がずらりと並び、屋根の面のはしがきれいな直線になっています。
隅棟の上にひざをつきながら、瓦の高さや並びを1枚ずつ確かめてずれのないように納めています。
少しでも瓦が浮いたり傾いたりしていると、その上にのせる棟の瓦もまっすぐに納まらないので、ここは慎重に進める所です。
屋根のいちばん上で、何本かの隅棟が集まる所は瓦の形がいちばん複雑になる部分です。
いくつもの方向から来る瓦の端をそれぞれの角度に合わせて切り合わせ、すき間ができないように組み合わせていきます。
角の部分をよく見ると小さく切った瓦の切れはしまで形を合わせて、組み合わせているのが分かります。
瓦の切り合わせが終わると、隅棟の線の上に棟瓦をのせるための芯になる木材を取り付けていきます。
木材は屋根のいちばん上から軒先に向かってまっすぐに伸びていて、この木材がこれからのせる棟瓦の通り道と土台になるんです。
木材がまっすぐに付いていないと、棟瓦の線もゆがんでしまうので、位置を合わせながらしっかり固定しています。
棟の木材のまわりには、白い漆喰(しっくい)を盛っていきます。
漆喰は棟瓦と平らな瓦のあいだのすき間をうめて雨水や風が入りこむのを防ぐためのもので、棟瓦をのせる前の大事な下地になります。
隅棟が集まる角の部分にもすき間なく漆喰を盛っていて、屋根の上に白い線が浮かび上がるように見えています。
今回は、屋根の角や谷に合わせて瓦を1枚ずつ切りそろえ、谷には新しい谷板金を納め、隅棟の上に棟の木材と白い漆喰で下地をつくるところまでをお伝えしました。
四角い瓦を並べるだけでは仕上がらない部分を、職人が手作業でていねいに整えていきます。まさに職人の腕の見せ所です!
隅棟の上に白い漆喰の線が通ると、寄棟の屋根の形が、上からでもはっきりと浮かび上がってきました。
次回は、この下地の上に棟瓦をのせて屋根の角の線を仕上げていく様子をお伝えします🏠
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