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狭小地に多い!軒先が短いお家で雨漏りが起こりやすい理由とは
現在、よく見かけるようになったのが、極端に軒先が短い建物です。建物で軒や軒先と呼ばれるところは外壁より外側に突き出た屋根の部分です。昔のお家というと、軒先でも充分に雨宿りが出来たものですが、現代のお住まいではそれもままならなくなっています。キューブ型のビルのような建物ですと軒そのものがありませんし、勾配のある屋根を持つ住宅でも軒の出がほぼゼロなんてものも存在します。そういった住宅の多い街中にいると見慣れてしまうことからあまり意識しなくなってしまうものですが、神社や仏閣を訪れますとその軒の長さに改めて驚かされます。もちろん住宅のデザインにも流行り廃りがあり、スタイリッシュなことから近年の流行でもあるのですが、実は現在の土地事情や税金問題と深く関りがあることなのです。軒の長さが短いと長いものより外壁に雨水が掛かりやすいことは誰でも簡単に想像できると思います。軒先が短いお家はそのことによっても、他の理由によっても雨漏りが起こりやすいのです。
【動画で確認「軒が短い住宅は雨漏りしやすい?」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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最近流行りの軒先が短いお家は雨漏りしやすいという事実
近年、新築では軒先が短いお家が増えました。スタイリッシュでデザインもよく、お洒落なことからお施主様にも好評で、しかもお安く建てられることから普及が進んだようです。軒先が極端に短いことから「軒ゼロ住宅」と呼ばれることもあります。格好良い上にお安いなんて、いいこと尽くめですよね。
しかし、軒先が極端に短い住宅は雨漏りリスクが非常に高いのです。
日本住宅保証検査機構(JIO)によると2010年7月から2016年6月まで調べた結果によると、軒先が短いお家は軒先が長いお家に比べて、約5倍も雨漏りしやすいということが分かったのです。雨水の浸入箇所も7割以上が軒の出がほぼない箇所ということも判明しました(日経ホームビルダー2016年12月号より引用)。
現在、軒先が短いお家にお住まいの方は雨漏りが起こりやすい理由とそれを防ぐためのメンテナンスを熟知しておかねばなりません。
軒先が極端に短いお家はよく「軒ゼロ住宅」と呼ばれます。軒そのものが存在しないキューブ型の住宅はもちろんのこと、軒の長さが250mm以下(ケラバや棟側が150㎜以下)のものも指します。
スタイリッシュでお洒落なのですが、昔ながらの軒の大きな建物を見慣れている方が見るとちょっとした不安を覚えるのも事実です。軒が短い分だけ外壁や窓に雨がかかることになるので、雨漏りは大丈夫かしらと心配する方も多いのです。
外壁を取り付けている柱の中心から外側にある屋根の部分の長さのことを「軒の出」と言います。長さは屋根の勾配部分ではなくて、水平方向で測ります。切妻屋根では軒の出が軒の部分とケラバの部分で異なるこのがあります。軒先の出が250mm以下、ケラバの出が150㎜以下と軒先が極端に短いお家は軒先が極端に短いお家、軒ゼロ住宅に分類されます。
1.軒先が短い分、室内を広く取れる
2.軒先が短い分、建材が不要になるのでコストカットできる
3.軒先が短い分、屋根の重量も少なくなるので、建物の耐震構造にも有利
最大のメリットは狭小地でも室内を広くできるということです。建物の外壁はお隣りや道路から離して建てないといけないことが法律で決まっております。この基準は各自治体によって決まっており、それに従わなくては建設許可が下りません。
外壁を法律通りに離しても軒先が長く、お隣りに越境しそうな場合も建設許可が下りませんから、室内を広くするために必然的に軒先が短くなったのです。狭小地に多い理由が分かりますよね。
また、軒先を短くすれば、それだけ建材も少なく済みますから、コストカットにもなります。屋根の総重量も減らせるので、建物の耐震構造にも有利になるのです。
このようなメリットから軒先が極端に短いお家が普及していきました。
■建材も少なく済みコストカットできる
■屋根の重量も少なくなり耐震構造にも有利
軒先が短いと雨漏りしやすくなることを忘れないでください
前述のようにさまざまなメリットがある軒先が短い住宅ですがもちろん、デメリットも存在します。見た目からも容易に想像できるように、外壁に雨が掛かりやすいということです。雨を受ける面積が増えれば、それだけ雨漏りリスクも増加することになります。
1.外壁に雨がかかりやすい
2.雨樋の不具合が他の部分へ影響しやすい
3.外壁と屋根の取り合いから雨水が浸入しやすい
軒の出が短ければ、短いほど、前述のように外壁に雨がかかりやすくなります。水分というのはどんな建材にも大敵です。雨によって外壁が汚れやすくなり、傷みやすくなります。外壁の目地にシーリングが充填されている場合、その傷みも早くなります。当然、サッシ周辺のシーリングも傷みやすくなります。目地やサッシのシーリングは建物内部への雨水の浸入を防止している部分なので、これらが傷むと雨漏りへと発展しかねないのです。
出典:国土技術政策研究所ホームページ(https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryo/tnn/tnn0975.htm)
「第V章 木造住宅外皮の雨水浸入リスク評価方法」(国土技術政策総合研究所)
上記内容をもとに一部抜粋し加工して作成
軒の出がある建物は軒樋と外壁の間に軒天という明確な緩衝地がありました。そのため、雨樋が不具合を起こして、雨水が溢れてきても、外壁に達することは少なく、せいぜい軒天を濡らすくらいでした。軒先が極端に短いとこの緩衝地がありません。雨樋から雨水が溢れてきたら、ほぼダイレクトに外壁にかかるケースも出てくるでしょう。
溢れた雨水の掛かる部分がたまたま外壁の目地の部分だったら… そしてその目地のシーリングが傷んでいたなら… 前述のように軒の出がない分、目地のシーリングも傷みやすいことは言うまでもないでしょう。
建物で違う部材同士の接合部分を取り合いと言います。つなぎ目の部分ですから、雨水の浸入口にもなりやすいのです。
軒の出があるお家の場合、外壁と屋根の取り合いはケラバ(屋根の端の傾斜がある部分)でも、鼻隠し(屋根の端の水平な部分)でも、屋根の端からは内側となり、間に軒天があるので、ダイレクトに雨水が掛かることは余程の強風でもない限り、あり得ません。しかし、軒の出がほぼないお家の場合、風がほぼない場合でもダイレクトに掛かるケースが多くなります。
窓と外壁の取り合いから雨水が浸入してきたケース。庇があれば、防げたかもしれないが、今度は庇と外壁の取り合いから雨水が浸入してくることも考えられる。
雨樋から雨水が溢れてきて、外壁を伝い、その途中にたまたま窓があったので、サッシ周辺から室内へ浸入してきた。雨樋に不具合がなかったら、おそらく風向きで雨漏りしたり、しなかったりというケースになっていたと考えられる
壁と天井部分に雨染みが拡がってきたケース。雨染みを消すには壁だけじゃなく、天井のクロスの貼り替えが必要になるので金額も高くなる。
雨漏りは室内の見た目を悪くするだけでなく、その部分にカビなどを発生させるため、健康被害の原因にもなります。また、湿った木材はシロアリの大好物ですから、そちらも呼び寄せます。建物の木材部分には防蟻処理がされていることも多いのですが、年月の経過や雨水に晒されることによってその薬剤の効果も低下していきます。
現在、軒先が短い建物に住んでいるという方、室内の広さなどのメリットはありますが、雨漏りしやすいというデメリットも忘れないでください。そして、その雨漏りを防ぐには一般的な軒の長さがある建物よりメンテナンスがこまめに必要になることを忘れないでください。よくお家のメンテナンスは新築から10年~十数年が一つの目安と言われます。軒先が短い建物の場合、十数年とは言わず、それよりも短い10年で点検とメンテナンスをした方がいいでしょう。
前述のように、軒の長さがある程度、確保されている住宅の場合、ここにダイレクトに雨水がかかることはないので、雨漏りに関してはさほど心配する必要がない部分でした。軒の出が短い場合、雨が直接かかりますから、浸水してこないよう、定期的な点検が必要です。
軒先の短い建物には勾配が片方向にしかない片流れ、2面で構成される三角屋根の切妻、外壁がそのまま上端で水平になっているまで続いている陸屋根などが採用されています。
このうち、片流れや切妻は外壁と屋根の取り合いを特に注意して見てあげる必要があります。地上からはそれなりに距離があり、見ても傷んでいるのかどうか分かりづらい部分ですから、専門家に点検を頼むことも視野に入れましょう。狭小地でうまく見ることができない方は専門家に点検を頼むべきです。
軒先がないキューブ型の建物は屋根が陸屋根の場合と片流れの場合があります。スタイリッシュに見せるために外壁を屋根よりも高く立ち上げ、その内側に勾配のある屋根(多くは片流れ)を隠しているのです。陸屋根なのか、勾配のある屋根なのかの見分け方は簡単です。どこかに横樋(鼻隠しに取り付けられる雨樋)が設けられていれば勾配のある屋根で、ない場合は陸屋根です。
こちらは笠木の部分から雨水が浸入しやすく、雨漏りの原因となりやすいので、そこを中心に点検してあげることになります。笠木も高いところにありますし、その天端(上面)は地上から見ることは不可能ですので、こちらも専門家に点検を頼んだ方がいいでしょう。
こちらは地上からも点検できる部分です。外壁に窯業系サイディングが使用されている場合、必ず目地があります。目地にはシーリングが充填されているのですが、経年でひびや剥がれが発生します。軒先が短い住宅はそれだけ外壁に雨がかかりやすいのですから、そういったところから雨水が浸入してくることもあります。
軒先が短いお家では西洋漆喰が使われているものもあります。こちらは大変お洒落なのですが、クラックが発生することもありますので、よく点検してあげましょう。窯業系サイディングにもクラックが発生することがありますので、注意してあげてください。
軒先が短いお家のメンテナンスをお考えの方は無料点検をご活用ください
これまで述べてきたように軒先が極端に短い住宅は他の建物よりもメンテナンスを必要とします。狭小地に多いということもあって、ご自分で点検するのもなかなか難しいことではないでしょうか。ちょっと高いところを見ようと思って、ご自分で脚立や梯子を運んでいたら誤って倒してしまい、お隣りの建物を傷付けてしまうということも起こりえることです。
また、外壁と屋根の取り合い、パラペットや笠木はいずれも高い位置にあり、ご自身で点検するのはかなり難しいと思います。そういった狭小地の軒先が短いお家も点検も街の屋根やさんの無料点検をご利用ください。雨漏りが起こりやすい建物だからこそ、じっくりと点検し、それを防ぐためのメンテナンスをしっかりとアドバイス致します。
狭小地に多い!軒先が短いお家で雨漏りが起こりやすい理由のまとめ
●外壁から外側に突き出ている部分を軒といい、軒の長い建物と短い建物が存在します
●軒が極端に短い250mm以下(ケラバや棟側が150㎜以下)の住宅を軒ゼロ住宅と言います
●軒を極端に短くすると室内を広くできるというメリットがあります
●軒を極端に短くすると外壁に雨水がかかりやすくなったり、外壁と屋根との取り合いから雨水が浸入しやすくなり、雨漏りする可能性も高まります
●軒が極端に短い建物にはこまめなメンテナンスが必要です
●狭小地の建物を点検するのはなかなか難しいので街の屋根やさんのメンテナンスをご利用ください
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